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ジャンボーグA(18) [ジャンボーグA]

第46話『サタンゴーネ最後の大進撃!』を取り上げます。
 脚本;若槻文三  
 特殊技術;大木 淳
 音楽;菊池俊輔
 監督;岡村 精
 怪獣デザイン;米谷佳晃

【前回までの話は・・・
砂丘の地下に作られたサタンゴーネの秘密基地に潜入したPATの熊井と安田は、そこで行方不明になっていた土地の子供たちと和也を発見する。子供たちを救出したもののサタンゴーネに包囲され、地下基地ごと生き埋めにされそうになる。だが、後ろ手で作った安田のニードル銃がサタンゴーネの右目を撃ちぬき、サタンゴーネがひるんでいるその間に、全員が基地からの脱出に成功した・・・】


◆『グロース星の偉大なる総司令官デモンゴーネ閣下!今こそ、立花ナオキとPAT基地を粉々に吹き飛ばしてしまうことを、サタンゴーネの名誉にかけて、ここに誓います!』

サタンゴーネの円盤から発射されたミサイルが、PAT基地を狙って飛行していた。PAT基地では敵のミサイルの軌道から着弾点を計算して、敵ミサイルに向けて、基地から迎撃用新型ミサイルを撃ち込んだ。

またしても失敗したサタンゴーネに、総司令官・デモンゴーネの声が響く。
『お前の為に、処刑台が用意された。死刑だ!』

するとサタンゴーネは、同じ死ぬならPAT基地へ特攻を仕掛けると願い出るのであった。
『よろしい。行け!サタンゴーネ。お前の体の中へ、新型爆薬ニトログロースを転送する。ニトログロースと共に、大爆発して死ね!』
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PAT基地では、昼夜を徹して警戒を厳重にしていた。だが、排水管を伝ってPAT基地内へ無数のネズミが侵入してきていることに、隊員も警備員も気づく者はいなかった。

基地内のスナックでは隊員達の息抜きの為に、和也の母・茂子とナオキが24時間営業をしていた。熊井と野村隊員の為にコーヒーを入れている茂子の足元を、何かがぶつかった。

一方、PAT基地へ向かって地底を一直線に進んでくる物体があることを、レーダーが捉えていた。村上隊長が緊急事態を発令し、基地内に警報音が鳴り響いたその時、スナック内から茂子の悲鳴が聞こえた。

『ネズミが、突然飛びかかってきたんです!』

店内を探し回ったナオキは隅にいたネズミを発見したが、それは突然グロース星人の戦闘員に姿を変え、姿を消してしまう。村上隊長の指示ですぐに基地内を徹底的に捜索したが、ネズミは一匹も発見できなかった。

PAT基地へ向かって進撃してくる物体は、あと30分で基地の真下へ到着することが判明した。地下120メートル付近を移動してくる物体は、グロース星人の地底戦車かもしれない。野村隊員を残し、隊長以下3名はハンターQで出撃した。
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だが、野村隊員一人のPAT基地を無数のネズミがふたたび襲い、配線を食いちぎって電話や無線が使えなくなってしまう。ネズミはグロース星人に変身し、野村隊員へ襲いかかってきた。基地との連絡が途絶えたため、ハンターQは直ちに基地へと引き返した。

基地の車庫に止めていたナオキのジャンカーにも、ネズミは侵入していた。知らずに運転しているナオキに、2匹のネズミが突然襲いかかった。停車してネズミを車外へ追い出したものの、エンジンがかからない。ナオキは、ボンネットから白煙が出ていることに気づく。

一人でグロースネズミと戦っていた野村隊員の元へ、ハンターQで出撃していた3名が戻ってきて銃で応戦した。突然、基地が地震に見舞われ、天井から激しくガレキが落ちてきた。
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電燈が消え、設備が一斉に停止した。すぐに非常電源が入り、電燈と設備は復旧したが、隊員達4名の顏と全身はホコリまみれであった。

コンピュータがはじき出したデータによれば、基地から東へ50キロの地点、地下80メートルの場所にある岩盤に、何かがぶつかったらしい。そこには基地を守るように分厚い岩盤が横たわり、どんな地底戦車でも突破できないのだ。

岩盤を突破できないことを知った物体は、時速400キロの速さで地上へ向かっていることが、レーダーで確認された。地上へ顔をだした物体を攻撃するために、ハンターQが直ちに出撃した。

地上へ顔を出したのは地底戦車ではなく、サタンゴーネであった。ニードル銃で傷ついた右目には眼帯をし、赤い帽子と戦闘服を着用していた。
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進撃する先にあるすべての建物を蹴り飛ばし、杖を振るって破壊を繰り返すサタンゴーネ。PAT基地まで、あと少しと迫っていた。
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ボンネットを開け、修理のしようがないことが判り、ナオキはジャンカーを置いていくしかなかった。その時、PAT基地が攻撃されている会話が、車内無線に入った。ジャンカーをそのままにして、ナオキはジャンセスナのある飛行場へと走っていく。

セスナをジャンボーグAに変化させて、PAT基地へ向かって飛行しているナオキ。左目の奥にある操縦席から見えたのは、グロース星人の地底戦車ではなかった。
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『サタンゴーネ!』
迎え撃つサタンゴーネが、叫ぶ。
『ジャンボーグA。遂にお前と対決する時が来た!』
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サタンゴーネの胸に付いている赤いランプから光線が出て、ジャンボーグAの首に巻き付くと、光線は鎖に変化した。サタンゴーネは、ジャンボーグAを少しずつ自分の方へと引っ張り込んでいく。
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サタンゴーネの体内に充満している爆薬ニトログロースで、ジャンボーグAもろとも自爆するつもりなのだ。
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首に巻き付いた鎖を切断するため、ジャンボーグAはベルトのバックルからジャンサーベルを取り出した。それを上から下へ振って鎖を切り裂き、その勢いのままサタンゴーネとすれ違った瞬間にジャンサーベルを下から上へ振って、サタンゴーネを素早く斬った。

ばったりと倒れるサタンゴーネ。だが、まだ勝敗は決していない。最後の力を振り絞り、サタンゴーネはジャンボーグAの元へ這っていくと、立ち上がって抱き着いた。
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『デ、デモンゴーネ閣下!スイッチを!サタンゴーネのし、死刑のスイッチを早く・・・』

大爆発するサタンゴーネ。だが間一髪、ジャンボーグAはサタンゴーネを振り払い、巻き添えは免れた。しかし、爆発のショックが直撃し、ジャンボーグAは少しよろめいて立ち上がるのであった。

サタンゴーネは死んだ。だが、サタンゴーネが最後に叫んだ「デモンゴーネ閣下」とは何者であろうか。サタンゴーネを処刑した、血も涙も無い恐ろしい敵・デモンゴーネがやってくるのだ。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
ジャンボーグAも9も、ウルトラマンなどのように生物ではなくサイボーグロボットであるため、戦闘中に言葉を発しない。言葉を発しているのは操縦しているナオキ自身であり、これは掛け声ではなく、自分の思いを叫んでいるに過ぎないのだ。違和感無くみていたが、不思議といえば不思議である。

ジャンボーグA(19) [ジャンボーグA]

第47話『死闘!エース対ナイン?』を取り上げます。
 脚本;山浦弘靖  
 特殊技術;矢島信男
 音楽;菊池俊輔
 監督;東條昭平
 怪獣デザイン;米谷佳晃

【前回までの話は・・・
グロース星人の地球侵略計画は、遅々として進まない。体内に爆薬を充満させたサタンゴーネは、自分の死と引き替えにPAT基地とジャンボーグAの破壊を企てた。PAT基地の破壊まであと少しのところでジャンボーグAに阻止され、サタンゴーネは大爆発して死んだ。だが・・・】


◆強風が吹き荒れる暗黒の星、グロース星。今、目の前に並んだ3つの墓に向かい、誓いを立てる女の声がする。
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『今は亡きアンチゴーネ、マットゴーネ、サタンゴーネよ!あなた方に代わって、今からこの私が地球侵略軍の指揮を執らせていただく!私は誓います。ジャンボーグAと9を倒し、緑の星、地球を征服することを!』

サタンゴーネが倒れてからしばらくの間、PAT基地内でも平和な時が流れていた。だが、その時は突然やってきた。緊急情報が基地内に流れ、PAT隊員全員はハンターQで出撃していった。ナオキも、当然のようにジャンカーで後を追っていく。今日は和也も一緒だ。

東京丸の内の上空を飛行する1機の円盤。ナオキと和也、その他大勢の人々が距離を保って、その円盤を遠巻きに見つめている。円盤は上空で停止したまま、攻撃をしてくる様子はない。

村上隊長はハンターQを上空で旋回させながら待機、しばらく様子をみることにした。やがて、円盤から地面に向かって光線が放たれた。
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その光の中から人間の女性に似た生物が一人、現れた。銀色の髪をした黒装束の女性は、両手を空へむかって広げながら、大勢の人々の前で静かに話しはじめた。

『地球人よ、お聞き。ジャンボーグAと9は・・・この私が仕掛けるワナで相討ちになって・・・滅びるだろう・・・フフフフ』

『そんなこと、あるもんか!』
怒りを込めて、和也が叫んだ。次にナオキが叫ぶ。
『一体、お前は何者だ!』

『私の名は、デモンゴーネ。地球侵略軍の新しい司令官さ・・・フフフフ』
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そう言うと、醜いグロース星人に姿を変えて巨大化するデモンゴーネ。杖を振るってビルを壊し、腹部にある一眼のまぶたが開いて、ロケット弾を連射した。丸の内一帯のビル群は、あっという間に火の海になっていた。

逃げ惑う群衆で現場はパニックとなり、和也はナオキとはぐれてしまう。ナオキは急いでジャンカーを置いた場所まで戻ると、ジャンボーグ9に変化できる場所を探して車を走らせた。

『エースとナインを相討ちにさせるだと?頭の悪いヤロウだぜ!エースもナインも、この俺の操縦で動いているんだ。相討ちに出来るわけがないぜ!』
運転しながら、ナオキはそう思う。

上空を旋回していたハンターQは、巨大化した宇宙人を見てただちに攻撃を開始した。2機に分離して光線攻撃の指示を出す村上隊長。

ところがデモンゴーネは、ハンター1号機が発射した破壊光線をマントではね返して、反対側を飛行していた2号機にぶつけるという離れ業をしてのけた。
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一方のナオキは、ジャンカーをジャンボーグ9に変化させた。
『行くぜ、デモンゴーネ!サタンゴーネの後を追って、地獄へ落ちるがいい!』

ナオキの心に、無意識のうちに女の言った言葉が気になり、焦っているのか、デモンゴーネとの勝負を急いでいる様子がみてとれる。
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突進していくジャンボーグ9。スワニービームを放ってしびれているデモンゴーネに、パワーでは負けないと、接近戦法で戦おうとする。だが、それが命取りとなった。
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デモンゴーネの顏が、それまでの女の顔つきから鬼にも似た男顔に変わると、一瞬の隙を突いて、杖の先から冷凍光線を発射した。接近していた分だけ冷凍光線をまともに浴び、ナインは瞬く間に凍り付いていった。

『(男デモンゴーネの声で)フハハハハ。この私が二つの顔を持っているとは、知らなかっただろう!地獄へ行くのは、お前の方だ!』

『このままじゃ、ナインの体は凍りついてしまう・・・』
ナインの操縦室はすでに凍り付き始め、操縦かんが動かなくなっていた。

ナインの様子を見て、解凍作用のあるフリーザーアタッカーで救助するよう、2号機の熊井へ村上隊長は指示を出す。

だが、デモンゴーネの腹部の一眼からレーザー攻撃を受け、ハンター1号機2号機共に機体が損傷し、修理のため基地へ帰投せざるを得なくなってしまう。
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       (ナインから脱出して走り去るナオキ・右下)
真っ白く氷結したまま、うつ伏せ状態のジャンボーグ9は、完全に活動を停止した。
『駄目だ。こうなったら脱出して、ジャンボーグAで戦ってやる!』
足裏の非常出口から脱出したナオキは、ジャンセスナのある飛行場へ走っていった。

セスナ機に乗り、ナインの仇を取るつもりで操縦かんを握るナオキ。ジャンセスナをジャンボーグAに変化させようとしたその時、エメラルド色の光がセスナ機を包み込んだ。セスナ機の前方に映る巨大なエメラルド星人の姿。
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『待て、立花ナオキ。焦るな。焦れば、デモンゴーネのワナにかかるだけだ』
『(自信ありげに)大丈夫だよ!あんな予告は、ただの脅しにすぎないぜ!』

『侮ってはいけない。お前が勝つ方法は、ただ一つ。デモンゴーネをじらすことだ。それ以外に無いのだ』

だがナオキは、エメラルド星人の忠告を無視して、ジャンボーグAに変化してしまう。そしてデモンゴーネに立ち向かっていった。
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『エースもナインも、俺の操縦で動くんだ。ワナにかけるなら、かけてみろ!』
『%&$#、$&〇△◇※、☆☆♀∬Ω、$&%&、$◇※☆〇△◇・・・』

突然、デモンゴーネが不思議な呪文を唱え始めた。すると黒雲が太陽を隠し、雷鳴が轟き、雷が光った。そして雷は、動かなくなったジャンボーグ9の頭上に落ちた。

『(男デモンゴーネの声)さぁナインよ、行け!』
すると、操縦者が乗っていないはずのジャンボーグ9が息を吹き返し、凍り付いたツララがきれいに取れて、操り人形のようにひとりで立ち上がったのだ。

『(男デモンゴーネの声)どうだ、驚いたか!私は念力でモノを動かすことができるのだ!ハハハハハ。さぁナインよ、エースと戦え!相討ちとなって滅びるがいい!』
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まるでナオキが操縦しているが如く、ジャンボーグ9は軽やかに動いて、エースに向かってハンディングフラッシャーを放った。それを見ていた和也は、泣き叫んで頼んだ。
『ナイン、やめろ!やめてくれ!』

バモス1世と2世で現場に到着した熊井と安田に、泣きながら訴える和也。
『エースとナインが、ケンカしてるんだ!早く止めてよ!』
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容赦なくエースに攻撃を仕掛けるナイン。キック、パンチ、チョップと、力技でエースはナインに勝ち目が無い。エースの操縦席にいるナオキは、叫んだ。
『ナイン、やめてくれ。やめるんだ!』
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熊井はバモス1世を飛行させ、ナインに攻撃をやめるよう忠告した。だがナインは、容赦なくバモス1世に攻撃をする。それをみたナオキは、怒った。
『ナインの奴、もう許さないぞ!ビームエメラルド!』
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必殺光線をナインに浴びせてしまうエース。ナインは仰向けに倒れながらも、ゴールデンレザー光線を両目から放ち、エースに一撃を与えたのち、動きを止めた。
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『うわぁぁ・・・ゆ、許してくれ、エメラルド星人。あんたの忠告を聞いておけば・・・こんなことには・・・許して・・・くれ』
ナインから強烈な一撃を受けたエースもまた、破壊尽くされガレキと化した町に、倒れ込んでしまう。

『(男デモンゴーネの声)まんまとワナにかかったな!徹底的にぶち壊してやる!』
デモンゴーネのしたたかな戦略の前に、ジャンボーグAと9は、相討ちになってしまった。
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狂ったようになおも続くデモンゴーネのロケット弾攻撃に、町は破壊し尽くされ、増えるガレキの下に埋もれていくエースとナイン。

一方、ようやく修理を終えたハンターQは、村上隊長と野村隊員を乗せて出撃した。相討ちになったエースとナインの様子を見て、現場のバモス1世と2世に弔い合戦を指示する村上隊長。

『(ナオキの心の声)立て!ナオキ』
ジャンボーグAは、まだ死んではいなかった。自分の犯した過ちを晴らすため、ナオキは残りの力を振り絞って立ち上がった。

『必ずお前を・・・倒してやる!』
エースは、デモンゴーネに立ち向かっていく。だが、体力が消耗しているため、デモンゴーネに軽く弾き飛ばされてしまう。
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デモンゴーネのとどめの一撃がエースを狙っている時、倒れていたジャンボーグ9がすっくと立ち上がり、デモンゴーネにスワニービームを発射した。
『(男デモンゴーネの声)血迷うな!エースを倒すのだ!』
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だがナインの両眼は、デモンゴーネに向いている。そして、必殺ミラクルフラッシャーが、デモンゴーネに命中した!
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ダメージを受けてすぐに立ち上がれないデモンゴーネを狙って、ナオキの操縦するエースが空中高く飛び上がり、必殺ヘッディングキラーが炸裂した。首を斬り落とされて、大爆発するデモンゴーネ。

和也は踊るように喜びながら、ジャンボーグAにお礼を言うのだった。ナオキには、すぐに疑問が湧いた。
『しかし不思議だな。一体、誰がナインを操縦したんだ?・・・』

その時ナオキの目に、空へ飛んで行くエメラルド色の光のかたまりが映った。
『そうか。エメラルド星人が操縦してくれたのか・・・ありがとう、エメラルド星人』

忠告を無視した自分を見限ること無く、ナインを操縦して共にデモンゴーネと戦ってくれたエメラルド星人に、心から礼を言うナオキ。その目からは、感謝の涙が流れていた。

すると、再びエメラルド星人の忠告が、ナオキに聞こえてきた。それは、信じがたい内容だった。
『聞け、立花ナオキ!デモンゴーネは生きている。決して油断をするな!』

エメラルド星人の言葉を証明するかのように、ナオキに聞こえてくるデモンゴーネの声。
『(女デモンゴーネの声)ハハハハ・・・ジャンボーグA、そしてナインよ。お前達が倒したのは、私の分身に過ぎないのだ』

『(男デモンゴーネの声)この次は必ずお前達を倒し、地球を手に入れてみせるぞ!』
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
第四の刺客とも言うべきデモンゴーネは、男・女二つの顔を持つ怪人である。サタンゴーネが「デモンゴーネ閣下」と呼んでいたが、私には「デーモン小暮閣下」に聞こえたけどね・・・(笑)

ジャンボーグA(20) [ジャンボーグA]

第48話『大逆襲!デモンゴーネ』を取り上げます。
 脚本;若槻文三  
 特殊技術;矢島信男
 音楽;菊池俊輔
 監督;東條昭平
 怪獣デザイン;米谷佳晃

【前回までの話は・・・
地球侵略軍の新たな司令官、デモンゴーネが出現した。侵略怪獣を使わず、知略で勝負してくるデモンゴーネの為に、ジャンボーグAとナインが戦うという前代未聞の、立花ナオキにとっては絶対にありえないはずのことが起きてしまう。エメラルド星人の協力を得て、なんとか逆転勝利を収めることができたナオキ。エメラルド星人はデモンゴーネがまだ死んではいないことをナオキに忠告して、地球を去っていった・・・】


◆ある夜、デモンゴーネは人間態の女に変身して、立花茂子・和也親子の自宅に現れ、ふたりを誘拐してしまう。
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和也は勉強中に銀色の髪の毛にいきなり首を絞められ、和也の悲鳴を聞いて勉強部屋へ駆けつけた茂子も、異常事態を知らせる電話をナオキにかけている最中に襲われてしまった。

茂子の元へ急ぎ駆けつけたナオキは、家の中の散らかった様子から、デモンゴーネの仕業ではないかと推測し、PATへ緊急連絡するのだった。

ナオキから連絡を受けた村上隊長は、安田・野村両隊員をバモス2世ですぐに立花邸へ向かわせた。だが、ふたりは途中で怪しい霧に包まれてデモンゴーネの襲撃を受け、ふたりとも連れ去られてしまうのだった。

ふたりが乗車したはずのバモス2世が、無人のまま基地へ戻っていることを熊井が発見した。駐車場でバモス2世を見つけている間に、今度は出撃許可が下りていないハンターQが格納庫から出撃していってしまう。
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格納庫係員から連絡を受けた村上隊長はハンターQに出撃中止命令を出すが、ハンターQは無人の状態で操縦され、そのまま格納庫から離陸していくのだった。

デモンゴーネの強力なテレパシーが、PATの超兵器を操っているのだ。ジャンボーグ9すらもその超能力のためにデモンゴーネに操られ、ジャンボーグAと戦うことになったのだから。

強奪されたハンターQが、ポイント5093付近で消息を絶った。村上隊長と熊井の二人は手がかりを求めて、その付近を捜索しに向かった。

ナオキもジャンカーに乗って、その場所へと向かった。するとその場にデモンゴーネが現れ、今度はジャンカーをテレパシーで操ってみせた。
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3人は、無人のジャンカーに追いかけられてしまう。ジャンカーに追い着いて運転席に乗り込んだナオキは、ブレーキをかけて車を停車させた。だが、車内ラジオからデモンゴーネの声が聞こえてくる。

すぐに車を出せと、ナオキに命令するデモンゴーネ。車を出さないと4人の人質に危害が及ぶぞと、ナオキを脅すデモンゴーネ。こうして、ナオキもジャンカーごと誘拐されてしまうのだった。

ナオキの様子がおかしいことに気付いた村上隊長は、バモス2世でナオキの後を追っていくのだった。広い造成地の中を猛スピードで土煙をあげて走行するナオキ。

バモスも見失わないように追っていく。だが、バモス2世は、ナオキのジャンカーを見失ってしまう。

『(女デモンゴーネの声)私の命令を素直に訊いたから、人質を一人返してやる』
デモンゴーネはナオキにそう言うと、バモス2世の走るコースの先に、覆面を被せて顔だけ地面に出した状態で、安田を返してよこした。
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危うくその覆面の頭を轢きそうになり、急ハンドルを切って停車した熊井。村上隊長と熊井は覆面を取ってそれが安田であることを確認し、無事に救出するのだった。

安田に声をかけて、他の人質の事を聞く村上隊長。だが、暗い異次元空間に閉じ込められていた安田は何も解からなかった。

『解かりません。暗闇の中で身体の自由を奪われて・・・野村君の名を呼んだのですが、返事がありませんでした・・・』

その頃、ナオキのジャンカーは、デモンゴーネの指示どおりにある場所へ到着していた。
『(女デモンゴーネの声)ナオキ、車を停めろ!山の上をごらん。お前の為の絞首台さ!あれに向かって、まっすぐお歩き!』

小高い丘の上に、木製の死刑台が4本出来上がっている。そして、死刑台のすぐそばで、女デモンゴーネが笑っている。ナオキはジャンカーから降りて、死刑台に向かって歩いていった。
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ナオキは、目の前にいるデモンゴーネに殴りかかっていくが、人間が凶悪宇宙人に素手で勝てるわけもない。誘うように逃げていくデモンゴーネをナオキは追いかけ、地面から現れた戦闘員達に囲まれて捕まってしまう。

『(女デモンゴーネの声)立花ナオキ、あれをみろ!』
4本の死刑台のうちの3本に、和也、茂子、野村隊員が縛り付けられていた。
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『ナオキさーん!』
ナオキに向かって必至に助けを求める人質三人の声。だが戦闘員に拘束されたまま、ナオキには何も出来ない。死刑台に縛り付けられ、ナオキは絞首刑にされようとしていた。

『(女デモンゴーネの声)待て、簡単に殺してはならん。もっと苦しめてやる!ジャンボーグAと対決して破れて行ったサタンゴーネ達の恨みを思えば、このまま殺してなるものか!』

ナオキを逆さ宙づりにすると、人質の目の前で何度も杖で殴打してナオキを痛めつけるデモンゴーネ。

その頃、安田を救出したバモス2世は、ナオキを捜索しながら走行していた。その途中で、奪われたハンターQが着陸しているのを発見する。計器類が正常に作動することを熊井に確認させた村上隊長は、安田をバモスに残してハンターQの離陸を試みた。

ところが案の定、エンジンを始動したハンターQには時限爆弾が作動するよう、仕掛けられていた。エンジン音に消されて爆弾装置の作動が解からないように仕組んだ、デモンゴーネのワナであった。

だが、奪ったハンターQが何もせずに放置されてあったことに、村上隊長は疑問を持っていた。エンジン始動によって時限爆弾装置の起動音が、村上隊長の耳に入ってきた。

急いで時限爆弾装置を探す村上隊長。すぐに見つけることが出来た村上隊長は、機外へ遠く放り投げて時限爆弾は大爆発した。

『(女デモンゴーネの声)アハハハ、今の爆発音を聞いたかい?PATの隊員達が、ハンターQと一緒に吹き飛んだ音だ!』

逆さ宙づりのナオキに向かい、そう説明する女デモンゴーネ。だが、飛行してくるハンターQを見て怒りに震えるデモンゴーネは、自らを巨大化して女顏から男顔に変身すると、ハンターQに攻撃を仕掛けるのだった。

デモンゴーネと戦闘員が居なくなったこの隙に、宙づりのナオキは自分で身体を折って足首の紐を解くことに成功。ナオキは野村隊員の縄を解いて茂子と和也のことを任せると、近くに置いてきたジャンカーに乗り込んで、ジャンボーグ9に変化させた。
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一方、巨大化した男デモンゴーネは、杖の先端部を飛ばしてハンターQの尾翼に巻き付けると、怪力でハンターQを振り回し始めた。ハンターQは操縦不能となり、二人の体には物凄い遠心力がかかっていた。

ジャンボーグ9は、ブーメランカット光線でハンターQの尾翼にからんだヒモを切断してハンターQを解放すると、デモンゴーネに突撃していった。
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デモンゴーネの手の内は分かっているナオキは、冷凍光線や腹部の一眼から発射されるロケット弾攻撃をしのぐと、逆襲のミラクルフラッシャー、そしてとどめの一撃ナインレザーをデモンゴーネに撃ち込んだ。
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『ギャァァァァ。デモーン!・・・デモーン!・・・』
男女混声の叫び声をあげながら、大爆発するデモンゴーネ。だがすぐに、デモンゴーネは余裕をみせて、ナオキに語りかけてきた。

『(男女混声)ジャンボーグ9、今日は引き分けだ!次はきっと、お前を倒してやる!悪魔の髪、デモンに誓う!お前はデモンゴーネの本当の恐ろしさをまだ知らないのだ・・・ハハハハ』
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その言葉が終わると、爆発したデモンゴーネの跡に銀色の毛髪が残されていた。そして、それはフワフワと宙高く舞い上がり消えていった。今度の戦いで、デモンゴーネの恐ろしさを改めて知ったナオキであった。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回のデモンゴーネの作戦は、人質を取るという悪役らしい卑劣なやり方であった。だが、詰めが甘い。なぜナオキを一気に殺害しなかったのか。倒された仲間の恨みの分も・・・これは分るとして、ハンターQの出現で怒りを露わにした時、ナオキの見張り番が誰もいなくなってしまうのは・・・はて?逃がすためか(笑)

ジャンボーグA(21終) [ジャンボーグA]

第50・最終話『トウキョウ最後の日』を取り上げます。
 脚本;山浦弘靖  
 特殊技術;佐川和夫・吉村善之
 音楽;菊池俊輔
 監督;大木 淳
 怪獣デザイン;米谷佳晃


◆クリスマスも終わり、師走の忙しい時期を迎えた東京の夜の街。歳末商戦で賑わっている商店街で買い物をして歩く和也とナオキは、すでにたくさんの箱を抱えていた。ふと和也は、おもちゃをもう一つ買うつもりなのか、オモチャ屋さんへ入って行く。

荷物を抱えたナオキは、文句を言いながらも仕方なく店の奥へ入って行く和也の後を追った。しばらくして、店の外が騒がしくなったことに気づいたナオキは、店内から外の様子を見て驚く。外へ出てみると、空がまるで真昼の様に明るい。
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東京は真冬の夜だというのに気温が摂氏40度近くまで上昇し、猛烈な暑さになっていた。村上隊長はハンターQを月へ派遣して、原因調査をするよう指示をだした。しばらくして、月へ向かう熊井と安田から報告が入ってきた。

『月面ポイント239の地点から、強力な光線が地球へ向けて発射されています!』
『それで、地球上の目標は?』
『トウキョウです』
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村上隊長は、ふたりに発光物体の正体を突き止めるよう指示を出した。月面へ到着して飛行中のふたりが見たモノは、巨大な凹面鏡で太陽光線を集めて、それを地球へ送っている装置だった。

その頃東京では、気温が摂氏50度を超して猛烈な暑さとなり、それが原因で自然発火して、町のあちらこちらで火災が発生していた。ちょうど虫眼鏡で太陽光線を集めるように、東京を焼き払おうとするデモンゴーネの作戦であることを、村上隊長は看破した。

本部からの指示により、月面の巨大凹面鏡に攻撃を加えるハンターQ。だが、隠れていたデモンゴーネが現れ、ハンターQは撃墜されてしまう。何とか不時着したものの、飛行不能となったハンターQから連絡を受け、救出に向かわなければならない。
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残されたハンターQ内の空気は、約12時間分しかない。宇宙航行が可能なジェットコンドルに野村隊員を乗せ、村上隊長は月へ向かった。すぐ横でその様子を見ていたナオキも、ジャンボーグAで月面へ行く決心をする。

ジェットコンドルがハンターQの不時着ポイントへ近づこうとした時、隠れていたデモンゴーネが攻撃をしてきた。デモンゴーネの攻撃を巧みにかわすジェットコンドルだが、このままでは熊井と安田の救助が出来ない。

『デモンゴーネは、こっちが引き受けたぜ!』
ナオキはジャンボーグAで月面に降り立ち、デモンゴーネと激突した。ジャンボーグAがデモンゴーネと戦っている間に、ハンターQの救出作戦を行う村上隊長。

ハンターQの操縦席が脱出カプセルとなって上方へ発射されると、それを目がけてジェットコンドルから吸引装置を先端に付けたロープ2本が発射された。二つのカプセルをキャッチしたまま、地球へ向けてジェットコンドルは飛行していく。

月面での戦闘は、ジャンボーグAが有利に展開をしていた。キック、パンチ、飛行機投げを連発して追い詰めると、ベルトのバックルからジャン・サーベルを取り出して斬り捨てようとするジャンボーグA。だが・・・

『ああぁぁぁ・・・』
悲鳴をあげたのは、ジャンボーグAの方だった。デモンゴーネの念力は、巨大凹面鏡装置の向きをジャンボーグAへと向け変えた。
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太陽光線を集めたサンビームをまともに受けたジャンボーグAは、たちまち全身が炎に包まれてしまう。左目奥の操縦室内では操縦機器から火花が散り、火の手が上がり出した。

炎の中に沈んでいくジャンボーグAに、デモンゴーネはとどめの一撃を加えようとしていた。
『(女デモンゴーネの声)ワハハハハ・・・・』

勝ち誇って笑いが止まらないデモンゴーネは、鎮火して白煙に包まれているジャンボーグAを崖っぷちへ追い詰め、深いクレーターの底へ突き落してしまった。

クレーターの底で、もがくジャンボーグA。ナオキ自身ヤケドを負って、意識が朦朧(もうろう)としていた。どうしていいのか解からないナオキは、無意識にクレーターの底から飛び上がると、ありったけの力を振り絞って地球目指して飛行した。

『(女デモンゴーネの声)これで、ジャンボーグAは二度と戦えまい。残るは、ジャンボーグ9だけだ。ハハハハ・・・』
デモンゴーネは満足そうな様子で身体から出す紫煙の中へ、姿を消していった。

その頃東京では、引っ越しをする人々で町中がごった返していた。正午現在、都心の気温は摂氏3度。日中は真冬の気温である。だが、あと数時間もすれば、再び灼熱地獄の夜が来る。どうしたら、デモンゴーネに勝てるのだろうか。

『たとえ勝ち目が無くても、命を賭して戦うのがPAT魂だ。みんな、俺に命をくれ!』
村上隊長の決意に応える3名のPAT魂と共に、村上隊長は全滅を覚悟で、再び月へ向かおうとしていた。

一方、壊れかけたジャンボーグAでなんとか地球へ戻ってきたナオキは、瀕死の重傷を負いながらなんとかPAT基地内のスナックにたどり着いた。医務室で茂子の看病を受けたナオキは、意識を回復した。

死を覚悟で再度月へ出撃するPATのことを、医務室に戻ってきた和也から聞く、ベッドの上のナオキ。だが、ジャンボーグAはもう使えない程に傷つき、ジャンボーグ9は空を飛ぶことができない。

『チキショー!どうしてジャンボーグ9は、空を飛べないんだ。ナインが月へ行けたら、PATは死なずに済むのに・・・』
和也が悔しがって、思いを吐露した。

「ナインさえ、空を飛べたら・・・」、ベッドの上で頭をめぐらすナオキ。どうしたらナインは、空を飛べるのか。ふと思い出したのは、和也とおもちゃ屋へ入った時に、店頭で見たオモチャだった。

メリーゴーランドのように、1本の棒の周りを互いに追いかけるように回って飛ぶロケットのオモチャ。これと同様に、ジャンボーグ9に噴射装置を付ければ、月まで飛べるのではないか!

PAT基地には、観測用の大型宇宙ロケットがある。あのロケットを使えば・・・だが待てよ・・・ナオキは思う。月まで行けても、帰りは自力で地球へ帰って来られないではないか!
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ナオキは、ベッドの上で懸命に頭をめぐらせていた。すぐそばにいる茂子と和也には、ナオキが宙を見つめて何を考えているのかは分らない。

だが、ナオキは決断した。たとえ永久に地球へ帰れなくても、デモンゴーネを倒して兄貴(和也の父)の仇を討てるのなら、喜んで月で死んでやる、そう思った。

意を決したナオキは、すぐ行動に移した。
『ナオキさん、駄目よ、まだ動いたりしちゃ・・・』
『大丈夫だよ、義姉さん!』

トイレへ行くフリをして部屋を出たナオキは、茂子と和也の幸せを祈りながら医務室を後にした。そして、PAT基地のロケット発射センターへ潜入すると、ナオキは打ち上げ担当職員3人に殴りかかった。

ロケットの軌道を月へセットしてから、ジャンカーに飛び乗ったナオキ。観測用宇宙ロケットの発射まで、あと5分しかない!
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ジャンボーグ9は飛んで来るロケットに向かってジャンプすると、ロケットに飛びついてそのまま身体を固定した。空を飛べないジャンボーグ9は、こうして観測用ロケットを使って月へ向かうことに成功した。

ジェットコンドルとファイティングスターに2名ずつ分乗して月へ向かうPATを、あっという間に追い抜いていく観測用ロケット。そのロケットに身体を固定しているジャンボーグ9を、PATの全員が目撃した。

『(野村)隊長、あれを!』
『(村上隊長)ジャンボーグ9・・・』
『さよならPAT、後は任せるぜ・・・さよなら』

東京では夕方が近づき、月が東の空から昇ろうとしていた。今度あの月が昇れば、東京は焼け野原と化してしまうだろう。月面に立つデモンゴーネが、ほくそ笑んで言う。
『(女デモンゴーネの声)あと1時間足らずで、東京は火の海さ・・・』

その頃、月に近づいたロケットからジャンボーグ9を離脱させたナオキは、デモンゴーネのいる月面に降り立っていた。

『デモンゴーネめ!今度こそ、息の根を止めてやる!』
『(女デモンゴーネの声)あっ、ジャンボーグ9・・・ウーム!それはこっちのセリフさ!覚悟をおし!』

デモンゴーネの光線技をうまく避けながら、接近戦に持ち込もうとするナイン。だがその時、デモンゴーネの念力が巨大凹面鏡装置をナインに向けた。強烈な熱を放つサンビームが、ナインに照射された。
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照射から必死に逃げる様に操縦するナオキだが、サンビームはナインを遂に捉えてしまう。だが、「どうせ捨てた命だ」、ナオキはひるむことなく、装置の中央部へ必殺光線クロスショットを撃ち込んだ。
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レンズガラスの割れる音が響き、凹面鏡装置は大爆発をおこしてサンビームは消えた。東京は、これで救われた。女顏から男顏へ変わり、怒りをあらわにするデモンゴーネ。

『(男デモンゴーネの声)ジャンボーグ9よ!お前のおかげで、私の全生命を賭けた作戦は失敗した!もはや私には、お前と刺し違えて死ぬしか道は無い!』

デモンゴーネは作戦失敗の責任を取り、生きてグロース星へ帰ることは出来ず、ナオキとナインもまた、自力で地球へは帰れない。どちらが勝っても、生きて故郷へ帰ることは出来ないのだ。

月世界で、1対1の決戦が行なわれていた。戦いの中で岩場に足を取られ仰向け状態に倒れたナインに、杖に仕込んだ剣を引き抜き、とどめを刺そうとするデモンゴーネ。

周囲は岩場のため、どの方向にも身体を動かすことができない。逃げ場を失ったナインに、デモンゴーネの剣が上から襲いかかろうとしていた。

その時、超低温になる月の夜が作った巨大な氷柱が、ナインの右手に触れた。とっさにナインはその氷柱をつかみ、両手で握り直して前へ突き出すと同時に、体をかがめた。すると、氷柱はデモンゴーネの心臓を貫いて背中へ抜けていた。
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『(男デモンゴーネの声)アアアァァァ、デモーン・・・デー・・・モーン・・・』
背中から口から緑色の血が激しく噴き出し、断末魔の叫び声を上げながら仰向けに倒れるデモンゴーネ。やがて肉体は消え失せ、あとには緑色の血の池だけが残った。

戦いは終わった。砂漠のような月世界から、寂しそうに地球を見上げるナインの姿。遂に兄の仇を討ったナオキだが、もう地球へは帰ることが出来ない。覚悟はしていたものの、その時が来ればやはりさみしい・・・

『オレはもう、二度と地球へは帰れないんだ・・・悲しくなんか、あるもんか』

誰もいない、何も聞こえない暗い月世界で、ナオキは茂子や和也、PATのメンバー達のことを思い出していた。すると突然、大きな振動がナインの体を襲った。

それは、PATのジェットコンドルとファイティングスターから発射された2本の吸引装置付きロープが、ナインの両肩に吸い付いた振動であった。ジャンボーグ9はそのまま引っ張られるようにして、地球まで曳行されていった。
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『ありがとう、PAT・・・』
ナオキは、心からPATチームに感謝した。

こうしてナオキとジャンボーグ9は、再び地球の大地を踏むことが出来た。地球にはふたたび平和が訪れ、人々には笑顔が戻った。PAT基地のスナックでは、正月を祝う隊員達とナオキ、和也、茂子が、楽しそうに餅つきをしている。
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だが、強風が吹き荒れる暗黒のグロース星では、4つの戦闘隊長達の墓前で新たな誓いを立てる声が・・・『我々は、いつか必ず地球を手に入れてみせる、必ず・・・』 (終わり)


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PAT(パット)は地球パトロール隊の通称で、Protective Association Troop の略である。隊長以下4名で構成され、野村せつ子隊員は女性ながら他番組の防衛チームに比べて、非常によく戦闘に参加している。また、この野村隊員と熊井隊員の2名が全50話を通してレギュラー出演した隊員であり、PATは他防衛チームに比べて殉職・異動が多かった。

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