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仮面ライダーX(9) [Xライダー・ドラマ]

今回は、第28話《見よ!Xライダーの大変身・前編》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;村山庄三
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;内田一作


【前回までの話は・・・ 南原博士が脅されて開発したRS装置の設計図は、GODの手に渡らぬよう博士が9枚に破り、仲間の科学者に送った。そのうちの3枚を神敬介が手に入れ、GODが1枚を手に入れている。残りは5枚・・・】

◆朝刊を読んでいた立花藤兵衛は、ある記事に目をやると顏をしかめて、新聞を折ってテーブルに叩きつけた。

『クソッ、これで13人目だ。このままほっといたら、日本中の科学者が全部GODに殺されちまうぞ!』

科学者たちの変死体が連日のように発見されて、大きな新聞記事になっていた。どうやらGODは科学者を片っ端から襲って、残りのRS装置の設計図を回収するつもりのようだ。次にどこの誰が襲われるか分らないため、藤兵衛も神敬介も対策が立てられない。だが、13人目の犠牲者の記事が載った日に、ある情報を持って神敬介が藤兵衛の喫茶店に現れた。

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『おやっさん、これ見てください!犯行が行われる数日前、必ずこれが被害者の所へ送られてきているんです』
『これが、例の肖像画か!・・・』

肖像画のことは、記事になっていた。その実物を目の前にして、藤兵衛は思わずそう叫んだ。それは縦幅50センチ、横幅40センチ程の額縁に入ったフランスの英雄・ナポレオンの肖像画であった。一連の殺人事件とこの肖像画は関係があるにちがいないと、神敬介は睨んでいる。敬介から渡されたその肖像画をじっと見ながら、藤兵衛は考え込んでいた。

『うーん・・・すると今度は、どこの誰に・・・』

その頃、チコとマコの二人は、友人ヨッコの別荘へ泊りに来ていた。ヨッコは母と弟を連れてこの別荘に遊びに来て、チコとマコを誘ったのであった。ヨッコの父は有名な科学者で、野中陽一郎と言った。

避暑地に遊びに来たというのに、その晩の別荘は停電になり、真っ暗な中で一夜を過ごすことになった五人。チコとマコはダブルベッドで早めに就寝し、ヨッコも弟と母親と共に別の部屋で就寝していた。

すると、妙な音がすることにチコが気づき、マコを起して原因を探ろうとキャンドルに火を灯した。音のする方向へ、ふたりはゆっくりと歩いて行く。すると、ギィーッとトビラが開いて、別の部屋で寝ていたユッコが母と弟を伴ってやって来た。ビックリしたチコとマコは、怒った表情でこう言った。

『私達は度胸試しに来たんじゃ、無いのよ!』(チコ)
『そうよ、避暑に来たんだから!』(マコ)

ユッコ達も、なにやら変な音がすることに気付き、この部屋にやって来たのだと言う。

『ねぇ、ママ。やっぱりこの家には、私達以外に誰かいるのよ!』(ユッコ)

五人が集まったこの部屋で、雨も降っていないのに水が滴り落ちるような音がしているのだ。音がする方向には、ナポレオンの肖像画が飾ってある。灯りを近づけてよくその肖像画を見ると、ナポレオンの全身がびしょ濡れであった。水の滴るような音は、この肖像画から聞こえて来ていた。

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五人はそのことに気がついた途端、凍り付いたようになった。なにやらおかしな雰囲気が周辺を覆い始めた。肖像画のナポレオンが、笑っている様に見える。やがて肖像画のナポレオンは徐々に変化を遂げて怪人の姿になり、それは額縁から抜け出てきた。

『野中博士は、どこだ!』
『主人は、アメリカへ行っていて留守です。あなたは、一体・・・』
『(優しい声で)これはマダム、失礼を致しました。わたくしはGODの悪人軍団のひとり、クモナポレオンと申します。お見知りおきを・・・』

怪人クモナポレオンは丁寧な口調で自己紹介すると、野中博士から送られてきた設計図を渡すように迫った。野中の妻が「そんなものは知らない」と言うと、レディに手荒な真似はしたくないと言って、自分の手下の戦闘員に持っていた吸血グモを投げつける怪人。

戦闘員は苦しみ出して床に倒れ、空気が抜けるように身体がしぼみ、溶けてしまった。今度は野中の妻の頭の上に吸血グモを置いて、脅しをかけるクモナポレオン。恐怖におびえる母を目の前にした小学生のイタル少年が、こう言った。

『設計図なら、ボクが・・・』
『小僧、設計図がどうした?』
『お願い、止めて。設計図なら、ここに!』

野中の妻は懐から設計図を出すと、クモナポレオンにとうとう渡してしまった。そこへ現れたのが、神敬介だった。野中博士が狙われる可能性があると踏んだ敬介は、バイクで向かっていた。ちょうど別荘に着いた時に悲鳴がきこえたため、急いで家の中へ駆け込んだ。

『おやっさんから君達がここに来ていると聞いて、飛んで来たんだ!だが、もう大丈夫だ』
『お前が神敬介か。俺はお前を、必ず殺す。俺の辞書に、不可能という文字は無いのだ!』

だが、暗闇に紛れて、クモナポレオンは姿を消してしまう。南原博士の設計図は、クモナポレオンの手に渡ってしまった。設計図を取り返すため、怪人の行方を追って、神敬介はある場所へやって来た。すると、敬介に向かって音も無く忍びよって伸びて来た白くしなやかなクモの糸の束は、そのまま右足に巻き付いた。

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それは、クモナポレオンが操るエネルギーを吸収するクモの糸であった。右足に巻き付いたクモの糸をそのままにして、神敬介はXライダーに変身した。

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だが、Xキックが怪人に通用しない。パンチも通用しない。身体の力が抜けていき、立っていることが出来なくなってきた。どうした事か分らぬまま、Xライダーはクモナポレオンのクモの巣に身体を縛られて、身動きができなくなってしまった。

クモの巣に引っかかった昆虫をクモが捕らえるがごとく、腰に差しているサーベルを引き抜くと、クモナポレオンはとどめを刺すべく、ジリジリとXライダーに寄っていく。

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『待て!』
『貴様は、何者だ!』
『俺の名を知らんとは、お前も大したことはないな!俺の名は、仮面ライダーV3!』

突如現れたライダーV3は、クモナポレオンに無礼な言葉を吐いて、ヤツを怒らせた。そして、ヤツの気を自分に引きつけておき、Xライダーから離れたその隙に、巨大クモの巣に閉じ込められて動けないXライダーを救出すると、ふたりとも姿を消した。

『どこへ行ったV3、怖気づいたか!』
『ハハハハ、そうリキむな、クモナポレオン!今は、お前と戦っている時ではない。この勝負、預ける!』

焦るクモナポレオンの耳に、余裕あるライダーV3の声が響いていた。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
何の前触れもなく、出現したライダーV3。ウルトラマンシリーズが1973年4月からのウルトラマンAで、ウルトラ兄弟という設定をスタートさせている。1974年放送の仮面ライダーXは、ライダー兄弟(改造人間という同じ境遇の仲間といえる)設定の出発点といえる。

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